14.

雨でびしょぬれになった愛光くんの体調は、時間がたつにつれ悪くなっていった。
身体は熱くなってきてるし、くしゃみとか咳をいっぱいしている。
もともと華奢な女の子なのに、男になって体力いっぱい消耗して、
挙句に雨でびしょびしょになればそりゃ身体の調子も悪くなるよね。
具合悪いのにあたしに嘘を吐いたことを反省して、ずっと謝ってる。
あたしは何も怒ってなんかないのに。
だって泣けてくるほどに好きなこの人のこと、嫌いになれるわけない。
離れられるわけもない。
それは明日彼が高橋愛に戻ったとしてもかわらない。
そう伝えたら、よかった…って気の抜けたようなような声を出す。

「もう寝よう?」
「うん」

二人してベッドに入る。
あたしは具合の悪そうな彼を胸に抱く。

「頭熱いよ…」
「熱あんのかな…」
「あるよ…大丈夫?」
「うん…」

うんって言いながらケホケホ咳をする。

「大丈夫じゃないじゃん」
「大丈夫だから。心配しなくていい」
「うん…ずっとこうやってるから、いっぱい寝て元気になって?」
「うん。ありがとね」

そう言って目を閉じる彼の頭をずっと撫でてた。
夜中に熱のせいで汗ばむ彼の汗を拭いたり、
咳き込む背中をさすったりしてたんだけど、
あたしもいつの間にか寝ちゃってて…。


あ…また咳してる。
朝だから空気冷えてるからか…。
ほんとに、高橋の咳は聞いてて苦しそうだよな…。

…ん?
高橋?

あたしは慌てて飛び起きた。
彼も…いや、彼女も驚いて起き上がった。

「…高橋?」
「……へ?」
「ちょっとごめん」

あたしは高橋の胸を…
あった。

「あ…あーし…」
「…もどったね…」
「うん…」
「よかった…」
「…ほんとに?」
「当たり前でしょ?」
「よしざーさんは、あーしが愛光の方がよかったんやないの?」
「そんなわけないじゃん。
そりゃ愛光くんのことは結婚したいくらいに好きだったよ?
でも、女である高橋がずっと男の身体でいたらきっといつか体力がもたなくなっちゃう。
そんなのいやだから」
「よしざーさん…」
「あたしは…」

伝えよう。
変わらぬこの想いを。

「ん?」
「あたしは高橋愛が好き」
「…まじ?」
「うん。……高橋は…いや、やっぱいい」
「なんでー」
「だって」
「好きやざ。あーしも吉澤ひとみが好き」
「…ほんと?」
「こんな大事なこと、社交辞令では言わん」
「これから先も…」
「うん」
「あたしのこと抱いてくれますか?」


返事のかわりは高橋からの唇へのキスだった。


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