4.
あたしが一目惚れした相手は高橋の従兄弟だった。
そう言われてみれば黒目がちな大きな目とか肉付きのよい唇とか、高橋に似てるかも。
「黙っててごめんね?」
高橋くんが申し訳なさそうに眉尻を下げる。
「ううん、平気」
だけど一気に弱気になるあたし。
だって…高橋みたいなかわいい子と、身近に接してるんだもん…。
「どうかした?」
心配した高橋くんがあたしの顔を覗き込む。
やばい…。
あたし高橋くんのこと本気で好きかも…。
「あたし…かわいくないよね…」
「え?」
「高橋…愛ちゃんみたいにかわいくないよね…」