『部屋行っていい?』


突然よしざーさんからメールが来たのは仙台一泊目の夜、かなり遅くだった。
よしざーさんがあーしの部屋に来るなんて普通はあり得ないことだから、何かあったのかなと思った。


『いいよ〜』とだけ返してよしざーさんを待つ。
暫くして来たよしざーさんは疲れた顔していて。


「愛ちゃん、遅くにごめんね?」
「…どうしたの?」
「それがさ…」


よしざーさんが持ってきた酎ハイを飲みながら話してくれたことは、
知っていた事実だったけどそれが漏れているのはショックだった。


「さっき事務所から電話かかってきてさ…いろいろ聞かれた。
一昨年のことなのにさ…そんな詳しく覚えてないっての…」
「よしざーさんは…当事者やないんよね?」
「うん、違う。話聞いてただけだよ」
「じゃあなんで聞かれるんだろうね…」
「わかんないよ…てか、なんでこの時期なんだよ…」


今日、公式にカントリーのあさみちゃんとみうなの卒業が発表されたばかりで、
しかもこの二人はよしざーさんにとってガッタスの大事なチームメイトで…。
ガッタスの今後とか、いろいろ心の中はぐちゃぐちゃなはずや…。


「かわいそうに…」


あーし、何を思ったかよしざーさんの頭をなでなでしてもうた。
そしたら…よしざーさんがあーしの肩にもたれかかってきたんよ。
ここんとこスケジュールもタイトで…
身も心も疲れきってるってのはこういう状態を言うんだろう。
よしざーさんは、みんなの前では決して弱いところを見せない人で…
だからこそ今、よしざーさんがいっぱいいっぱいなのがわかる。
少しでも…ほんの少しでも癒してあげたくて
あーしはよしざーさんの肩を抱いた。

よしざーさんは暫くあーしに凭れたままお酒を飲み続けた。
一時間くらい、あーしはよしざーさんの愚痴を聞いていた。
そうこうしてるうちによしざーさんが胃のあたりを押さえ始めた。


「よしざーさん?具合悪い?」
「胃が…痛ぇ…」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない…」


すごい痛そうで前屈みになってるし…。
あーしはよしざーさんの背中をさすった。


「よしざーさん、もう寝ましょ?」


途端に情けない顔であーしを見る。


「大丈夫ですよ、よしざーさんが寝付くまでいますから」
「やだ…」


あら…。
こんな甘えん坊なよしざーさん初めてやわ。


「朝までいますよ」
「うん…ありがと…」


ベッドによしざーさんを寝かしつけて、背中をさすってあげる。
最初は痛みで寝付きが悪そうだったけど、
ずっと撫でてあげてたら、そのうち寝息をたてはじめた。
でもやっぱり時々痛むのか、顔をしかめてる。


「痛い…」


寝言で言いながら。


「よしざーさん?大丈夫?」
「愛ちゃん…」


痛みで目が覚めたみたい。


「病院行く?」
「行かない…それよかさ…」
「うん」
「一緒に寝て?」
「へ?」
「お願い…」


弱ってるよしざーさんにイヤとは言えない。


「いいよ」


あーしはよしざーさんの隣に潜り込んだ。
その上で背中をなでるから、必然的によしざーさんの顔はあーしの胸あたり 。


「やわらけぇ〜」
「もぉ、病人はおとなしくしなさい。じゃないと帰るよ?」
「やだぁ。ごめんなさい」


あら、素直やわ。
明日も元気に仕事できるように、今夜は思いっきり甘やかしてあげようかな。
あーしの胸に顔を埋めて、
あーしのシャツをぎゅって握って眠るよしざーさんがたまらなく愛しくて
しあわせな気持ちになる。

おやすみなさい、よしざーさん。
明日はいい日になるといいね

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