3.冷たい手のひら
ゴメン、帰るってみんなに言ってタカハシとケメ子邸を後にする。
大通りに出てタクシーでタカハシのマンションへ。
車の中ではずっと手をつないでた。
あたしの冷たい手のひらが気持ちいいんだと。
タカハシの手のひらはむちゃくちゃ熱かったからその気持ちもわかる気がする。


「よしざーさん」
「ん？」
「ごめんね？」
「なにが？」
「まだ遊びたかったやろ？」
「気にすんな、そんなこと」
「うん…」

一回気にしだすとどっぷり気にしちゃうのがタカハシの悪いとこ。

「タカハシと久しぶりに二人でいれるしさ、こっちのほうがよかったかも」

言いながら頭をなでてやると、嬉しそうに高橋が微笑む。
今日は心を込めて看病してやろう。

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