10.

今日はハロモニの収録で、
仕事終わりにメンバーにあたしの卒業の具体的なスケジュールが告げられることになっていた。
なのにあたしは愛ちゃんのことを気にしすぎたのと昨日寝てないのと
慣れない着物のせいでスチール撮りと一本目の収録が終わる頃に具合が悪くなってしまった。
結局その後の仕事はあたしはキャンセルで、
メンバーに自分の口から告げることもできず家に帰らされた。
何やってんだよ、あたし…。
スタッフが呼んでくれたタクシーに乗って、愛ちゃんちの住所を告げた。

まだ夕方なのに帰ってきたあたしを見て愛ちゃんは驚いている。


「よしざーさん?」
「ちょっと具合悪くなっちゃった」
「大丈夫?」
「愛ちゃんに言われてもねえ」
「もぉ」
「とりあえずあしたに備えてちょっと寝るわ」
「うん…じゃああーしも…」


二人でくっついてベッドに入った。
泣き腫らした目にそっとキスをする。


「よしざーさん…」
「いっぱい楽しいことしよ?」


それしかかける言葉が見つからなかった。
無論、社交辞令ではないつもりだったけど…。



有言実行とばかりそれからのあたしたちは一緒にいることが多くなった。
週に一回は愛ちゃんちに泊まりに行った。
基本出不精のあたしだけどそれで愛ちゃんの精神が落ち着くならやすいもんだ。
あたしが卒業を告げてから少し痩せた愛ちゃん。
食べてるのに痩せていく。
そんな姿を見るのが辛くて愛ちゃんちにいる時間はずっと抱っこしてた。
いつしかそれがあたしたちの当たり前になってきて、
近くにいない方が落ち着かなかった。


「よしざーさん」
「ん?」


大晦日の朝、愛ちゃんが話しかけてきた。


「お願いがあるんやけど」
「なに?」
「初詣行きたい」
「いいよ、紅白終わったら行こうか」
「うん!」


嬉しそうな顔してる。
こんな顔見せてくれるなら何だってしてあげたいと思ってしまう。
約束通り日付がかわり2007年になった頃、
あたしは愛ちゃんとガキさんと三人で初詣に出かけた。
あたしは二人でもよかったんだけど、
愛ちゃんがなんやテレクサいって言うから3人で…。
そして今は愛ちゃんちでくつろぎ中。
ガキさんは早々に寝ちゃってて、居間にはあたしと愛ちゃんだけ。


「よしざーさん」
「ん?」
「二日に発表するん?」
「うん。そうだよ」
「いよいよなんよね…」
「そうだね…」


またうるうるする愛ちゃん。


「ねえ愛ちゃん、一個約束しよ?」
「約束?」
「うん」
「どんな?」
「あたしが卒業報告するハローのライブでは泣かないで?そのかわりステージ降りたら泣いてもいいから」
「…わかった」

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