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「びっくりしたよね」
「はい…」
「あいぼんの時も驚いたけどさ、今回もすげえ驚いた」
「そうですね…」
「そう考えたらあたしと愛ちゃん、立場似てんのかなあって」
「うん…」
「一番わかりあえるんじゃないかなあって」
「よしざーさん…」
優しい言葉におさまりかけてた涙がまたあふれてきた。
「こっちおいで」
両手を広げる吉澤さんの腕の中に飛び込んだ。
泣いてる間、吉澤さんはずっと頭を撫でてくれてて、あーしはそれだけで安心できたんよ。
その夜は全然眠れなくてずっと吉澤さんと話してた。
吉澤さんも寝ずに付き合ってくれて、すごい嬉しかった。
結局寝付いたのは明け方で、しかもあーしは吉澤さんにもたれたまま寝ちゃってた。
「ごめんなさい…」
「何が?」
「寝づらかったでしょう?」
「大丈夫だよ、心配すんな」
「はい…」
「なんか朝ご飯作ってあげるよ。冷蔵庫つかわせてもらっていい?」
「あ、はい…」
そう言って吉澤さんは朝ご飯を作ってくれて…。
でも、食べられなかったんよ。
食欲が全くなくて…。
おいしそうに目の前で食べる吉澤さんに悪いしがんばったんやけど…。
口に入れても飲み込めなくて段々涙目になってきてもうた。
「愛ちゃん?」
「…」
「もしかして…食べれない?」
口にもの入れたままでしゃべれんからコクコクと頷いた。
「いいよ、出しちゃいな」
あーしの前にティッシュを受けてくれて、あたしはそこに口の中のものを全て吐き出した
「ごめんなさい…」
「いいよ、気にすんな」
あーしってこんなに打たれ弱かったかな…。