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二人で仕事に出かけて…睡眠不足やったから途中楽屋で仮眠を取った。
そしたら…時間がきて起きたら寒気が来た。
やば…。
今風邪流行ってんのに寝ない食べないじゃ風邪ひくよね…。
あーしの顔色の悪いのに気づいた吉澤さんが近づいてきた。
「愛ちゃん」
「はい」
「具合悪い?」
「寒気が…」
「マジ?大丈夫?」
慌てて吉澤さんがあーしの額に手をやる。
「熱はないみたいだけど…」
でも時間がたつにつれくしゃみと咳を連発するあーしに
吉澤さんは心配顔でずっとそばにいてくれて、家まで送ってくれたんよ。
「ねえ」
「なんですか?」
「泊まってっていい?」
「うちに?」
「うん」
「いいですけど…」
「心配でさ…」
「なんで?」
「なにが?」
「なんであーしのことそんなに心配してくれるん?」
「あたしと一緒だから」
「よしざーさんと?」
「うん。真希ちゃんが辞めたとき、あたし体調くずしたじゃん?
あのときの自分と今の愛ちゃんがダブるんだ…。
あのとき、あたしのそばにいてくれる人がいたら違ったかもしれない。
だから…今あたしは愛ちゃんのそばにいたい。迷惑かもしれないけどさ」
「全然迷惑やないです。むしろ嬉しい…」
「そっか」
「悲しいし…寂しいし…しんどいし…だから一人じゃなくてよかった…」
「暖かくして早く寝ようか」
「はい…」