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「おはようございます」
「まだすごい声だね…」
よしざーさんの方が落ち込んでるし…。
「大丈夫ですよ。身体は昨日よりだいぶ楽ですってば。
声は咳いっぱい出たししかたないです」
「もういいよ、喋んな」
吉澤さんはそれからもずっとあーしの声を気にして、まるでお母さんみたいに世話を焼いてた。
翌日からの大阪でのライブの間もずっとやった。
『愛ちゃん』
吉澤さんからの電話。
『愛ちゃんの風邪もらっちゃったよぉ』
次の週末、マンガよりベタなオチが待っとった。
ライブで吉澤さんの体調気にする分、寂しさが減ったから結果オーライ?
「愛ちゃーん、声出ないよぉ〜」
前言撤回。
やっぱり心配やよ。
「よしざーさーん」
せめて楽屋では甘えさせてあげよう。あーしを助けてくれたお礼にね