仕事で今話題のショッピングモールに来た。クリスマスが近いとあってどの店も華やいでるし、プレゼントを選ぶ人でいっぱいだ。はぁ〜なんて自然にため息が出る。
「な〜にため息ついてんの。幸せが逃げちゃうよ?」
突然降ってきた声に顔をあげたら、吉澤さんが笑顔であーしを見ていた。
「だって〜」
そう返したら吉澤さんの大きな手があーしの頭を優しく撫でた。
あーし、あかんなあ。
吉澤さんだって同じやのに…。
なんか気分が暗くなってもた。
休憩時間、あーしたちはお店を見て回った。
「愛ちゃんはどれが好き?」
あーしがアクセサリーショップのガラスケースをのぞいてたら吉澤さんに聞かれた。
「うーん、これかなぁ」
あーしが指さしたのはちっちゃな天然石が入った音符モチーフのペンダント。
「誕生石かぁ」
「うん…」
「あたしと愛ちゃんみたいだね」
「あ…よしざーさんも…」
「うん」
2つ連なったちっちゃな八分音符。
そこにはまっているサファイアとダイヤモンド。
吉澤さんとあーし…。
「すいませーん」
突然店員さんを呼ぶ吉澤さん。
「これください」
「買うんですか?」
「うん。あたしと愛ちゃんだからねえ」
なんかよくわからん理由だけど、やすくはない品を即買いとか大人やなぁ。
暫くして会計をすませて出てきた吉澤さんの手にはクリスマスラッピングの袋。
「はい」
いきなり吉澤さんはあーしにその袋を差し出した。
「へ?」
「愛ちゃん今年がんばったからさ。プレゼント」
突然そんなこと言われてうるうるしちゃった。
「うわ…ちょ…泣くな?まだ収録残ってるよ?」
「だって嬉しすぎる…」
そう言うとへへへとテレクサそうに吉澤さんは笑った。
この笑顔があるから頑張れる。この笑顔で「高橋、よく頑張ったね」って言ってほしいから。