03　不意打ちですよ

明日はあーしの誕生日。
きっと０時にはメールがきたりするんやろな。
うきうきしながらその時を待つ。
デジタルの表示が0：00になった途端に
ぶるぶる震えだすあーしの携帯。
いくつになってもこれはうれしいもんやよね。
携帯の振動が止まらないのも嬉しかったり。
♪ピンポーン
え？ピンポン？？
誰や、こんな時間に。
きっとガキさんやな。

『愛ちゃーん、開けて〜』

ほらな、インターホンからガキさんの声がする。 花束抱えて嬉しいことしてくれるねえ、ガキさんも。
ロックを解除してガキさんの到着を待つ。
妹に、ガキさん来てくれたわとか言いつつね。
もう一度、玄関のベルが鳴る。

「はーい」

玄関のドアを開け……。

「高橋、誕生日おめでとう」

…よしざーさん？

「あれ…ガキさん…」

『愛ちゃーん、開けて〜』

携帯から流れる声。
…不意打ちですよ？　よしざーさん。

「あ…」
「驚いた？」

驚きすぎて声も出ん。
かわりに涙が出てきたわ。

「あ、ちょ…高橋、泣くなよ」
「よしざーさんのバカぁ…」

そのまま胸に飛び込んだ。
ぎゅっと抱きしめ返してくれる腕が嬉しい。
よしざーさん、最高の誕生日プレゼントをありがとう。


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