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タクシー飛ばして10分で愛ちゃんち。
近いんじゃん。
もっと度々来てあげればよかったな。p
チャイムを押すと、顔色の優れない愛ちゃんがドアを開けてくれた。
あたしの顔を見て愛ちゃんが微笑む。
「よしざーさん、そんな顔せんといてください」
「え?」
「あーしなら大丈夫ですから」
あたしに気を遣って強がってるのバレバレだ。
「お母さんは?」
「よしざーさんが来るって言ったら張り切ってロイヤルミルクティ作ってます」
「おぉ」
居間にいって愛ちゃんママのミルクティを飲む。
…あれ?
愛ちゃんはのんでないや…。
結局愛ちゃんは一口も飲まなくて…。
寝室に入った愛ちゃんはそれでもあたしに笑顔を向けて…。
「愛ちゃん…」
「何ですか?」
「無理して笑わなくていいよ」
「え?」
「さっきも紅茶全然飲んでなかったでしょ?」
「あぁ…」
「だいぶ胃痛い?」
「うん…」
やっぱりな…。
あたしもリーダーになってから何度か経験あるからわかるんだ。
こういう時は無理に食べても気持ち悪くなるだけだから、食べたくなけりゃ、食べなくていい。
おそらく明日はさらにひどくなるだろうから、今日は薬飲んでさくっと寝た方がいい。
あたしは持ってきた胃薬を愛ちゃんに飲ませた。
「もう寝な?」
「うん…」
ベッドに入った愛ちゃんにタオルケットをかけてやる。
「よしざーさんは?」
「ん?」
「どこで寝るん?」
「その辺で寝るよ」
「あの…」
「なあに?」
「一緒に寝てもらっていいですか?」
「へ?一緒って…一緒に?」
愛ちゃんは恥ずかしそうにこくりと頷いた。
仕方ないな…。
あたしは愛ちゃんのベッドに入った。