『吉澤さん、今愛ちゃんの部屋に集まってるんですよー』

ツアー中のホテル。
麻琴から電話があった。
いいよーって愛ちゃんの部屋に行ったらミキティ、麻琴、こんこん、そして愛ちゃんがいた。
ミキティはビールを飲んでた。

「はい、よっちゃんさん」あたしにビールを差し出す。

「サンキュー」

あたしはそれを受け取り愛ちゃんが寝転がってるベッドに腰掛けた。
てか、愛ちゃん眠そうだし。

「眠いの?」
「うん…」
「よっちゃんさん、かわいい〜とか思ってるでしょ」
「へ?」
「ニヤけてる」

慌てて顔を触るあたしに吹き出すミキティ。
ちぇっ、あたしおもちゃかよ。
でもこういう時間は好きだ。
一日の疲れもなくなる気がする。
暫く、他愛もない話をしてたら眠くなって来た。

「そろそろ寝るよ」
「よっちゃんさん眠くなって来た?」
「うん、だから部屋帰るよ」

あたしは立ち上が…あれ?

振り返るとあたしのジャージの裾を愛ちゃんがしっかり掴んでいた。

「あらら〜」

麻琴が苦笑してる。

「愛ちゃん今回タオル忘れたんだって」
「タオル?」
「赤いタオル」

あー。愛ちゃん、それがないと寝れないんだっけ。
ってあたし、赤いジャージ…。

「御愁傷様。おやすみー」

えー!あたし、置いてけぼりかい!
まあ…いっか…。
明日愛ちゃん起きたときどんな顔すんだろ。
あたしの中のいたずら心が顔を出す。

「おやすみ」

裾をぎゅっと掴んだままの愛ちゃんのおでこに、
起こさないようにそっとキスして隣に寝転んだ。




「なんや?どないなっとるんー!!!」

翌朝、あたしは愛ちゃんの叫び声で目を覚ました。

「あ…おはよ、愛ちゃん」
「あーし…あれ?」
「いやあ昨日帰れなくてさぁ」
「へ?」
「どうもタオルがわりにされたみたい」
「あー!!!」

慌てて掴んでいた裾を愛ちゃんは離した。

「ごめんなさい!」

慌てて飛び起きてベッドの上で頭をさげる愛ちゃん。

「あやまんなくていいよ」
「でも…」
「あたしのジャージの裾をさ、ぎゅーっと握って寝てる愛ちゃんかわいかったよ」
「うそぉ〜」

真っ赤になってテレてる愛ちゃん、かわいい…。
もうちっといぢめてやろうっと。

「あんまりかわいかったから、おやすみのチューしちゃった♪」
「いやーん」
「え?いやなの?」
「あ、そやなくて」

愛ちゃんかわいすぎ。

「今日も一日がんばれそうだよ」

くしゃくしゃっと頭を撫でたら、いつもの笑顔で笑う愛ちゃん。
たまにはタオルがわりもいいかも♪

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