今日は秋ツアーの千秋楽。
高橋は何回も悩んでメールや電話してきた。


どうしたらええんやろ。
よしざーさんみたいにみんなに安心あげられん。
そう言って悩んでた。
だからあたしは言ったんだ。
何もあたしの真似することなんかないって。
高橋は高橋らしいリーダーになればいいって。
他の子たちに聞いたら、みんな高橋は頼もしいって言ってる。
自信持って いいんだよってね。


ツアー途中で体調を崩し、
おまけにアジアプロモーションツアーがあったり、
きっと心身ともに大変だったと思う。
たった一回、韓国に行く前の日に高橋が泣いたんだ。
思うように声の出せないジレンマと、
初の海外プロモーションに思い悩んで胃が痛くなったらしく、電話をしてきて
「よしざーさん…胃が痛いよぉ…」って情けない声だして。
よく恋愛小説とかで『電話で泣くの反則』って言ってるけど、
その気持ちがよくわかったよ。
あたし、その時高橋のところに飛んでいったさ。
抱きしめてやりたくて、
何も言わずに泣かせてやりたくて。
その日、久しぶりに高橋はあたしの胸で泣いたんだ。
いっぱい泣いてまた笑顔になればいいんだよって言って。
高橋はあたしのシャツを濡らしていっぱい泣いたよ。
泣き疲れて一時間ほどねちゃったくらいに。
すげーかわいかったな。
はっと起きてごめんなさい!って謝ってたけどさ。
少し寝れたことで胃痛も治ったみたいだし、よかったじゃんね。



そんなことがあったから、あたしは電話をした。
千秋楽のその日に。


『もしもし』
「おー高橋、いよいよ千秋楽だな」
『うん。無事迎えられた』


…あれ?こいつ、鼻声か?


「高橋」
『はい』
「おまえ、鼻声じゃね?」
『そんなことないですよ』


そう言ったしりからケホケホ咳き込んで。


「また風邪引いた?」
『みたいです…』


なんかすげーかわいそうになってきた。
1ツアーに二回風邪引くとかかわいそすぎるだろ。


「大丈夫なの?」
『平気。今日でラストだし』


そう言って笑うけれども。


『よしざーさん』
「ん?」
『明日見に行きますから』
「来てくれるんか」
『はい』
「じゃあ待ってるからさ、今日無事勤めあげなね」
『うん、がんばる』




そしてあたしの芝居の千秋楽、
始まる前に楽屋に来てくれた高橋を、両手を広げて迎える。



「高橋、おいで」


少しテレながら飛び込んでくる高橋をぎゅっと抱きしめて。



「おまえ、可愛すぎ」


耳元でそう囁く。



おまえの風邪が治ったなら、飲みに行こうな。
約束だよ。


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