2.

あーしとよしざーさんでタクシーに乗り込む。
スタッフさんが不思議そうな顔したけど
「高橋送ってから帰ります」ってよしざーさんが言ってスタッフさんを納得させた。
よしざーさんが行き先を運転手さんに告げる。

「どこ行くんですか?」
「あたしの行きつけのショットバー」

いつもよりよしざーさんの機嫌が悪い。
おこらせたのはあーしや。
よしざーさんを避けたから。
結果、余計によしざーさんと絡むはめになってもうた。
今日は極力よしざーさんと話したくなかった。
だって話したら絶対明日の別れがつらくなるから。
だから…だから、よしざーさんと目を合わすことすら避けてたのに…。

「高橋、ごめん、痛むの?」
「え?」

よしざーさんの視線をたどるとあーしの腕。
知らず知らずのうちに摩っちゃってたみたい。

「ちょっと見せてみ?」

よしざーさんがあーしにジャケットを脱ぐように促す。

「あぁ…赤くなっちゃったね…」

あーしの腕にはよしざーさんの指の形が残っていた。

「大丈夫かなあ…明日までに取れるかなあ…」
「大丈夫ですよ」

多分残るだろうなって頭の中では思いつつ。

「本当にごめんね。力の加減考えてなかった」
「気にしないでください」

…だから…やさしくせんとってって…。



よしざーさんの行きつけのショットバー。
並んでカウンターに座る。

「いらっしゃいませ。いつものでよろしいですか?」
「ええ。この子には…マスター、梅酒ベースで何かできます?」
「わかりました」
「高橋、それでいいよね?」
「はい」
「家に連絡した?」
「いえ、まだ…」
「今、母ちゃん来てるんならしたほうがいいよ」
「そうします」

お母さんにメールをする。
『吉澤さんとちょっと飲んでから帰るわ』
ほどなく、珍しいね〜 と返事が返ってきた。

「母ちゃんなんて?」
「珍しいね〜って返ってきた」
「あたしも愛ちゃんと飲んで帰るってメールしたらそう返ってきたさ」

二人して笑う。

「まあねー、ずっとあたしからメンバー誘ってのみに行くとか無かったからなー」
「そうですね」
「これからは誘うよ。高橋とか、ミキティとか」
「三人でも行きましょうね」
「おう。ケメコ誘わなきゃ怒られたりしてね」


程なくして出てきたお酒で軽く乾杯。

「おいしい」
「でしょ?高橋カクテル飲めないって言ってたけどさ、梅酒ベースだったら飲めるかなと思って」
「うん、これなら大丈夫です」
「よかった」

よしざーさんは強そうなお酒をロックで飲んでる。
グラスを傾けるよしざーさんの横顔が超絶に綺麗で、思わず見とれてた。

「ん?」
「いや、なんでも」
「変なの〜」

寂しいと思うこの気持ち、今日は悟られたくないんよ。


本・漫画・DVD・アニメ・家電・ゲーム | さまざまな報酬パターン | 共有エディタOverleaf
業界NO1のライブチャット | ライブチャット「BBchatTV」  無料お試し期間中で今だけお得に!
35000人以上の女性とライブチャット[BBchatTV] | 最新ニュース | Web検索 | ドメイン | 無料HPスペース