6.


「なにやってんのこんなとこで」

自動販売機の陰で隠れてたよ、この子。
あたしの声に逃げようとする。

「逃げないの」
「はい…」
「形のこっちゃったね…」

昨日あたしがつけちゃった腕のあざに触れる。

「大丈夫ですよ」
「ごめん、DVDに残るのに」
「いえ…これもいい思い出です」

まだ視線を合わせてくれない。

「高橋」
「はい」
「あたしを見て?」
「…」
「お願い」

やっとのことで視線が絡む。

「寂しいか」
「うん…寂しい」
「寂しいと思ってくれるのか」
「当たり前ですよぉ」
「居なくなっても平気って思われてたらどうしようかと思ってた」
「そんなわけないじゃないですか…あーし…あーし……」
「ん?どした?」
「よしざーさんが居てくれたから成長できたって思ってる。まだまだ未熟やけど、それでも…
それでも、よしざーさんがリーダーになってからあーし、少しは成長できたんやないかって…」
「うん。高橋は成長したよ。でもね」
「はい」
「もっと感情を表に出していいと思う。抱え込んじゃだめだよ」
「はい…」
「サブって立場的に出せないって思ったら、あたしにメールなり電話なりしてくればいい」
「いいんですか?」
「いいんだよ。もっと甘えろ」
「よしざーさん…」

愛ちゃんの涙腺はもう決壊3秒前って感じだ。

「今日だって、泣けばいい」
「……」
「思いっきり泣いて、また明日からリスタートすればいいじゃん」
「はい…」
「あ、でも歌はちゃんと歌わなきゃだめだよ?」
「はい…」
「ちょっとだけ、涙のガス抜きしとく?」

今にも溢れそうな涙にあたしはそう言った。

「…肩、貸してもらっていいですか?」

あたしは返事の代わりに愛ちゃんを抱き寄せた。
愛ちゃんが泣いている間、あたしはずっと彼女の髪を撫でていた。
胸の辺りが涙で湿ってきてちょっと冷たかったけど、
愛ちゃんを抱きしめてるぬくもりでプラマイゼロだ。
結局どれくらいそうしてたんだろう。
心配して探しに来てくれたガキさんに見つけられるまで、愛ちゃんは泣いていた。

「ガキさん、あとはよろしく」
「はい」


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