10.
SIDE AI
めっちゃくちゃ酔っ払って、そっから先、一部の記憶がない。
ふとわれに返ったときは、あーしがいたのは公園で。
あーしの背中をさすりながらよしざーさんが泣いとった。
しょんぼりしたよしざーさんはあーしに帰ろう言うんやけど、
あーしは記憶は戻ったもんのまだまっすぐに歩けなくて、
2〜3m歩いたところで止まってもうた。
「高橋」
「なに?」
「泊まってく?」
「よしざーさんとこ?」
「いや…」
よしざーさんの視線の先を手繰ると…。
「入れるん?」
「うん」
「いいよ、泊まってこ?」
初ラブホがよしざーさんとなんて、いいんだか悪いんだか。
中に入るとドラマとかで見たまんまで、おもわず「すげー」って言うてもた。
あれ?
そういえばよしざーさん、服…。
「よしざーさん?」
「ん?」
「服は?」
「あー…汚れたから一枚脱いだ」
「え?」
「いいじゃん、なんでも」
まさか…。
「あーしが汚した?」
「だからいいって言ってんだろ?」
やっぱそうか。
「貸して?洗うから」
「いいって。また気持ち悪くなられても困るし」
「ごめんなさい…」
あーし、最悪やん。
勝手に怒って、勝手にバカほど飲んで、挙句吐いてよしざーさんの服汚すとか
きっとよしざーさん怒ってるやろな。