2.
SIDE　AI


「ただいまー」

ライブを終え、家に帰る。

「おかえりー」

今日は妹が来てくれてるんよね。
ライブも見てくれたからあとで感想聞かなくちゃ。
居間に行くと妹の由衣が携帯いじっとった。

「愛ちゃん、夜食おいてあるからよかったら食べー」
「おお、ありがとね」

なんか、すごい真剣に時間かかってメールしとるんやけど…。
姉としてはすごい気になるわけで。
由衣は見かけは派手やけどやっぱり田舎の子やからな。
都会でだまされでもしたら大変や。

「彼にでもメールしてるん？」
「へ？」
「なんや、時間かけてニヤニヤしながらしてるから」
「ニヤニヤしとった？」
「すっごく」
「あらま」
「彼氏？」
「ちがうで」
「隠さんでもパパには言わんで？」
「ちがうってば。今日であった人やー」
「今日？」
「うん。私ナンパされたんやで？」
「ええ！！！大丈夫？」
「大丈夫って、何が？」
「いや、その…」
「メアドもらっただけやし。だから今こっちからしとるんよ」
「相手、変な人やない？」
「まさか。ええ人っぽいよ？かっこいいし」
「かっこええの？」
「めちゃくちゃ」


なぜか少し羨ましかったり。

「飲みに行こう？って言われた」
「あんた、未成年やん」
「言った。そしたら驚いてたわ。んで、でももうすぐ二十歳って言うたん」
「うん」
「そしたらじゃあ二十歳のお祝いに食事しましょうって誘われた」
「…行くん？」
「断る理由ないし」


…大丈夫なんやろか。
そう思ってたん顔に出てたんやろな。

「愛ちゃんも行く？」
「どこへ？」
「食事」
「ええの？」
「ええと思うよ。また聞いてみるよ」


なんか妹の保護者になった気分やけど…まあええか。


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