8.
SIDE AI
なんか頭の中がぐっちゃぐちゃになる。
由衣に手招きされてテーブルまで行くけれど、よしざーさんの顔が見れん。
「愛ちゃん、座りなよ」
由衣に促されて座るけれど…。
「高橋…」
名前を呼ばれ顔を上げる。
「あの…なんて言っていいのか…」
ばつ悪そうに眉尻を下げて。
「なんで由衣なん」
「いや、可愛かったから…」
「可愛かったから?」
「六本木つれて歩けたら最高だな…って」
なんや、腹立ってきた。
「由衣も由衣やで。教えてや」
「だって、おもしろいじゃん」
「おもしろいって、あんた」
「ゴメン、高橋。あたし、まさか高橋の妹さんだなんて気付かなかったんだよ…」
「もう知らん」
あーしは目の前にあったビールをごくごくと一気する。
「おかわり!」
唖然とする二人を尻目にあーしは浴びるように飲み続けた。